カテゴリー「経済・政治・国際」の記事

2010年2月 1日 (月)

「東京大学 エリート養成機関の盛衰」
読了しました!
鳩山政権の希少性がわかった

いろいろ楽しく読ませてもらった本書ですが、「おわりに」の著者の見解が興味深かったので、以下に、簡単にまとめてみました。

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1877年(明治10年)に設立されて以来、最も多くの首相、官僚を輩出した日本の最高学府。しかし、ここ20年弱東大卒の首相は宮澤喜一を最後に姿を見なくなっていた。

そして、そんなところに登場したのが東大卒の鳩山由紀夫であったのだ。というと、これまでの東大出の首相のような経歴なの?と思いがちですが、いやいや大きく異なっています。

たとえば、

  1. 官僚上がりではない
  2. 理科系である
  3. 学者上がりである

この3点。

非常に新鮮なキャラクターの首相なのです。(Twitterに抵抗なく馴染めているのもそのせいかもしれませんね)

また、このような背景があるからこそ(官僚上がりではない)東大卒の首相にも関わらず官僚重視の政治を見直しができるのではないでしょうか。

昨今の検察の動きなど、官僚たちが危機感を募らせていると思われることが目につくだけに、今回の鳩山政権の意義をあらためて考えてしまいました。

2010年1月26日 (火)

「東京大学 エリート養成機関の盛衰」
読み始めます!

Photo最近、私もご他聞に洩れずTwitterとiPhoneの相性のよさに随分とはまってしまっていました。。

それで、久しぶりの読書です。

今回は、週刊ダイヤモンドの書評で気になっていた「東京大学 エリート養成機関の盛衰」です。

まさしく読み始めたところです。前扉とはしがきと目次をひととおり眺めたところ、、、、今のところ非常に期待大!!です。

それで、はしがきからいくつか、気になったところを以下にサマッて抜粋します。

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  • 東大が国策として文部大臣森有礼らの計画によって発足したが、なぜこのような大学が国策として必要であったかに注目する。

  • 洋行帰りの特異な人物森が、東大に何を期待し東大にそれにいかに応じたかについて論じる。

  • 官僚のみならず、政治家、学界、教育界、経済界、医療、文人などの分野にも関心を拡大させ、それらの分野における人材排出力を吟味する。

  • 結局権力側が勝利するのが東大の構図であったが、反権力側の教授もおりそれに伴った学内抗争も激しかった。しかし、この分野は多くの論者で論じられてきたことなのでここでは深入りせず、著者が経済学専攻であることを生かして、派閥抗争を学問上の対立と当時の政治・経済状況との双方に注目して論じる。

  • 最近になって変貌を遂げてきた東大。学生に関する変化(富裕層の子弟と女子学生の増加)や、学生の就職先の変化、卒業生の活躍振りなどの変化を明らかにする。

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そして、著者のメッセージが以下となります。

  • 東大は著者にとって未だに畏れを感じる大学でもあり、かつ対抗心を抱く大学でもある、と。人々の東大への思いは様々という前提のもとで本書をかいてきた。内部関係者でないことを生かして、客観的に統計資料を駆使してこの「エリート養成機関」の功罪を評価したい。

これから本格的に読み始めます。