カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2010年10月17日 (日)

バットマンてこんなに面白いの!?「ダークナイト」
悪役ジョーカーに目が釘付けです

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祐天寺のTSUTAYAで借りた「ダークナイト」を昨夜見ました。(今は、旧作100円デス。ちょっとセンデン)

恥ずかしながら、バットマンシリーズは今さら初めて。

ただし!この「ダークナイト」はバットマンシリーズとしては、初めて「バットマン」の名前を外した新アプローチ。これ1本でバットマン全貌は語れないと思いますが、それでも私は「バットマンてこんなに面白いの!?」と感激したわけです。

最も印象に残ったのは、悪役ジョーカーの圧倒的な存在感。ふざけたようなおちょくってるような狂気的なサイコキラー、そこに潜む知性を感じさせる、故ヒース・レジャーの天才的な演技。彼がもう亡くなっているなんて、あまりに勿体無い、映画界の損失といえます。

明確な勧善懲悪ではなく、悪、正義、悪人、善人、犯罪者、裏切り者、協力者、傍観者それぞれの視点からみた、それぞれへの言い分があり、それが常に相対的であって、絶対的で無いことが、この脚本の根底にあります。
悪役ジョーカーが言っていること、所作ひとつひとつが、そのメタファーになっています。

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ジョーカーがバットマンにラストで言い放った、「俺はお前を殺さない。お前が俺を完成させているから」というセリフに、「善があるから悪がある、悪があるから善がある」という善悪の補完関係を見た気がします。

と、まあ、結構、深いのです。わかりやすいアメリカ的な、勧善懲悪もの、勝手にイメージしていたため、その反動もあって、つくりのうまさに思わず、固唾を呑んで見入ってしまいました。

もちろん、痛快で高速な数々のアクションシーンは単純に見ていて目の保養、栄養になります。

モーガン・フリーマンのいぶし銀効果も相変わらずです。とにかく、もう1回見たい映画です。

(写真は、全てヒース・レジャー演じる悪役ジョーカーですw)

2010年8月24日 (火)

「インセプション」があまりに面白い
監督の知的冒険心が随所に、
新しいインテリアプローチの映画!

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先週末見た「インセプション」が予想以上に、面白かったです。映画を見ている間も、見終わったあとも静かに興奮していました。

新しい「発想」に触れたときの感動です。

さて、何が面白かったのでしょうか?思いつくことを箇条書きにしてみたら、案外自分の考えがまとまりすっきりしました。

  • 「映画はやっぱり脚本、アプローチとして新しくとにかく面白い」

  • 「監督がクリストファー・ノーラン、あのメメントの!(やはり、と唸る)」

  • 「他人の夢を支配する、などサイエンスで実現できそうな感じがしてしまう」

  • 「夢を共有し、アイディアを盗むのは簡単だが、植え付けは難しい。という概念」

  • 「夢を支配し、他人を支配する、という新しい悪巧み」

  • 「夢と現実の識別のためのメタファーとしての、コマの存在の小技感」

  • 「夢の階層と時間の概念の考え方が、話のロジック、展開として重要なこと」

この在りそうで在り得なさそうなサイエンスなアプローチの脚本は、グイグイ引き込まれてしまいます。

監督のクリストファー・ノーランは、あの「メメント」の監督でもあり、発想、着眼点、構成など随所に知的な冒険心を感じ取ることができます。

(初めて「メメント」を見たときに、こんな発想を映画にしてしまうなんて、と少しだけ呆れて、非常に驚き感動したことを思い出しました。)

あとは、

  • 渡辺謙が格好よかったこと、彼の老いぼれた特殊メイクにショックを受けたこと。

  • ディカプリオにいい感じのオッサンらしさが出てきたなあ、とか。

  • CGって年々凄くなるなあ。

  • スペシャルサンクスにJR東海と書いてあって、「おっ」と思ったことなどなど。

いやー、もう1回見たい映画です。細かいところも確認もしたいです。

建物とか山とかいろいろな空間が出てくるので、映画館の大きなスクリーンでそれを感じられたこともよかったと思います。

2010年4月26日 (月)

「エンロン」から見えてくるもの
神がかり的巨額不正のからくり

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2001年12月、400億ドルを超える債務を抱え破綻したエンロン。この一件がドキュメンタリー映画になったことは、ずっと気になりつつも映画「エンロン」を見ていませんでした。

今ちょうどアカウンティングやファイナンスに興味があり勉強しているところなので、TSUTAYA旧作100円レンタル(ちょっと自社の宣伝)を利用して借りて見てみました。

見終わったあとはいろいろな斬り口の印象が心に残りました。箇条書きにまとめると以下のようになりますが、人間の業(ごう)と欲が満載で胸つかえがするような感覚です。

と同時に、事例を交えて企業の財務会計を勉強するには格好の材料かと思いました。例えば、「時価主義会計」という見かけ上の利益を水増しする、当時でも合法ぎりぎりの会計方法を積極的に利用するところなど、アカウンティングを勉強している身からみると非常に興奮ものです。(すみません変態で)

さて、見終わったあとに得た印象はざっくり以下の通りです。

  • 企業利益の追求だけという理念の無さ
  • 危機の前に売り抜けた経営幹部の俗悪さ
  • 良心ある一部の幹部の自殺(このテの事件にはほぼ必ず1人は出てしまいますね、、)
  • 戦場の殺人マシーン兵士と化したトレーダー
  • 巨額な金を前に倫理観を放棄したお抱え証券会社、会計会社、法律顧問事務所
  • 真面目に働いてきた一般社員の悲劇
  • エネルギー、資源といったベーシックインフラで儲けようとする狡猾さ

ポジティブな内容がほとんど無い話です。でも、(繰り返しになりますが)このような巨額な不正がどのように行われたかを知るには最適な映画かと思います。個人的には非常に面白かったです。

2010年4月17日 (土)

7人の大罪人に与えられる罰の完全断行
あらためて「セブン」に魅せられました

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TSUTAYAの旧作100円レンタルで「セブン」を借りて約15年ぶりに見ました。ブラピとモーガン・フリーマンが出ている96年日本公開のあの有名な映画です。

「7つの大罪(大食、強欲、怠惰、肉欲、高慢、嫉妬、憤怒)」ひとつひとつを見ている者に説教しているかのように演出する展開に、次はどうなってしまうのか?と思わず引き込まれてしまっていました。実は、衝撃のラスト以外結構忘れてしまっていました、、ネタばれになるのであまり言えませんが、7つの大罪の完結のさせ方が皮肉で冷酷で完全無欠で、正直言って救いが無く後味が悪いのです。でも、それがゆえによく練られた脚本なんだなと思いました。

また、、、なかなかにリアルで残酷なシーンの連続になんとも嫌悪感も覚えるのですが、そこは映像のセンスのよさで完璧にカバーされていました。残酷なシーンは美しく仕上げることで芸術に近くなるのでしょうね。

あらためてこの映画、映像表現のセンスのよさも見どころかと思います。どのシーンを静止画にしてもポートレートになり得そうな完成度の高い美しさです。調べてみたら、「銀残し」という現像手法を用いていてコントラストの強い映像に仕上げているそうです。妙に心に残る印象的な映像にはこのような理由があったということです。また、重要なシーンでの緑と赤の色の出方も非常に綺麗でした。

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それから、出演者で忘れてならないのがケヴィン・スペーシー。同じ96年公開のユージャル・サスペクツでも印象に残る存在感を残す彼ですが、この2つの作品が彼の出世作と言われるのも納得です。

いやー、セブン面白いですね。今夜もまた見ようかな。。

2009年10月24日 (土)

先が読めない「ハラハラドキドキ」したいとき
『ラッキーナンバー7』

Photo今日もうちのサービス「TSUTAYAコンシェルジュ」で映画をリコメンドしてもらいました。

それで、今日の私の気分は

普通

・人生のためになるより娯楽モノがみたい

・ハラハラドキドキ

 (どんなハラハラドキドキかという質問があって)

  └ 先がみえないハラハラドキドキ

ハラハラドキドキの具体的選択肢には、他に「恋愛」や「人間心理の恐怖」などがありました。

で、いちおしは『アフタースクール』だったのですが、いまひとつ大泉洋の映画を見る気になれず、他のオススメがないか探してみたら『ラッキーナンバー7』があったのです。

「2007年最高の俳優たちが、最高に爽快な嘘を仕掛ける!ジョシュ・ハートネット、ブルース・ウィリス、ルーシー・リューら豪華ハリウッドスターが贈るアクション・サスペンス!」という宣伝文句に惹かれました。

今日はこれを借りてみようかな。期待度大!!!!!!!!!です。

2009年10月20日 (火)

大爆笑!するなら
『俺たちフィギュアスケーター』

Photo 自社のサービスですが「今の自分の気分にあった映画をメールで教えてくれる」というのがあります。
で、今朝、バスの中で登録して今の気分を入れたら即メールがかえってきました。

今の自分の気分は確かこんなふうに入力したと思う。
(基本、選択肢プルダウン方式)

・今の気分は → 普通によい

・何を望んでいるか → 明るく笑いたい

・明るく笑いたいを掘り下げる質問に対して → 大爆笑したい

で、かえってきたのが以下のメールです。

恥ずかしいですが、臨場感を味わって頂くために全文引用します。

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かよたんさん

おはようございます。
初めてのご利用ありがとうございます。
かよたんさんにご登録頂いたプロフィールに添うように、ご提案させて頂きますね。では、今回のご提案です。

コメディ映画で、笑わずにはいられないのは、やっぱり「ありえない設定」でしょう!『俺たちフィギュアスケーター』はマッチョでロックスターのような男と、繊細で女性的な男がフィギュアスケートのペアを組むというストーリーです。どうみてもフィギュアスケーターに見えない二人の男が、得意満面でスケートをするところを見ると、笑いが止まりません!
また、本では『言いまつがい』がオススメです!

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すでに、バスの中で大爆笑☆しそうになり焦りました。
今日帰りに祐天寺のTSUTAYAで借りるかも。。。(私は本当に模範的な社員だと自分でも思います)

2009年10月18日 (日)

映画「キューティーハニー」
サトエリしかあり得ない!

Photo_3 映画「キューティーハニー」のDVDを祐天寺のTSUTAYAで借りて昨晩見ました。

サトエリが主演で、庵野秀明が監督のアノ映画です。

いやー、懐かしかったです。73年の本放送当時を見ている私は当時の記憶が蘇ると同時に、35年以上前の原作なのに斬新でキレキレでオシャレでキュートで、全く色褪せていないことに感激。やっぱりいいセンスしてますよ、永井豪!!(しかも、彼ちょい役で出てる)

キューブリックの「時計じかけのオレンジ」が30年以上前の作品とは思えない、に近い感覚です。(褒め過ぎ?)

サトエリが主演ときいたときから、特に心配していなかったのですが、実際に映画で見てハニーをやれるのはサトエリしかいない!と実感しました。バツグンのスタイルとキュートなキャラ、それでいていやらしくない、エロくない、ところがその理由でしょうか。

ハニーの普段着の白いタンクトップ、白の超ミニスカ姿も原作とおりで(下画像)当時からのファンとして嬉しい限りでした。

Photo_5それから、悪者側のパンサークローのアジトのシーン、最高です。カラーの四天王というヒール(悪役)が4人いるのですが、ゴールドクローが片桐はいり、ブラッククローが及川光博。それぞれに個性が光っていてサイコー。あの悪役ならではの「ああーはっは、あぁーはっはー!」という高笑いをヒールが揃いも揃って全員やるところもお約束の予定調和でいいですね。

興行的には不振に終わったそう(興行4.2億、動員数28万人、*参考値:ポニョ、155億円、1,200万人以上 *社団法人日本映画製作者連盟資料)ですが、確かに映画館で見る映画ではないですね。でも、今回の私のようにDVDで見るのはかなりアりなのではないでしょうか。

★オープニングが高く評価されているらしいですが、それも納得。当時の映像を彷彿とさせられました。

2009年8月19日 (水)

「24 シーズン7」
もはや水戸黄門の領域に

24_7やはりこれは見ておかないと、、、ということで、先日から見始めて今日vol.4でした。

なんだかんだ言われていますが、私にとって「24」は先回のシーズン6まで全て見てきているという「習慣性(中毒性?)」、またvol.1を初めて見たときに感動した斬新な表現手法(以下に、別途)への「敬意の念」が相増って新作が出たら見ざるを得ない作品のひとつになっています。

また、今の日本のエンタメコンテンツ業界に「海外テレビ」という新しいカテゴリーを拓くきっかけとなったこの作品の功績は大きいと言い切れます。弊社が事業展開するTSUTAYAにおいても「海外テレビドラマ」は貴重なカテゴリーとして確立されました。

それはそうと、7作目なので私にとってはどんなに犯罪のネタが核からウィルスに変わろうとも、犯人が中東系からアフリカ系に変わろうとも全ての展開が予定調和、そう、まるで時代劇、水戸黄門状態なのです。どういうバックグラウンドを背負ってとしてジャックが出てくるか、ジャックが1人目の犠牲者を出すタイミングがいつなのか、ジャックがどんな女に惚れるのか、またどんな女がジャックに惚れるのか、裏切り者が誰なのか、などなどかなり予測可能になってきました。今回も裏切り者が既に登場しています、なるほど、身近なところに潜んでいます。

ネガティブに取られてしまったら申し訳ないですが、これらはイイ意味で言っています。ズバリ!「様式美」ではないでしょうか。「型」が完成されたことを実感します。これはこれで非常に興味深く成熟した文化の薫りすらします。

★以下、参考。 初めて見たときに感動した表現手法★

  • 24時間という限定された尺の中でストーリーを納め切っている
  • リアルの24時間とドラマの中の24時間の時系列が合致している(全部見る≒24時間かかる)
  • ストーリーの節目のたびに主要キャストのサマライズ映像が、思わず焦る効果音とともに4カット必ず出る(煽り効果バツグンです)

2009年8月17日 (月)

「永遠のマリア・カラス」
オペラにハマりましょう!

Photo_2相変わらずTSUTAYA100選から何か見ようかとTSUTAYA祐天寺店の100選コーナーをウロウロしていましたが(ま、一応お約束の宣伝です)、今日は100選の中でピンとくるものが無くこれにしました。

いやぁー、いろいろな意味で正解でした。

カラス本人の歌声が使われているという意味でオペラ好きは勿論楽しめると思いますが、カラスを演じるファニー・アルダンの表現力が素晴らしく鬼気迫り本当にカラスなのではないか、と思うほどでした。

私にとっては、終始、誰にも感情移入せず客観的に見れる映画でした。彼女ほどの天才となると周囲も大変だろうな、という思い、いつもリスクを背負うプロデューサーの苦労、自らをバンパイア(自分は何もせず、見たものや聞いたものを記事にしている、吸血鬼なのよ!と。この表現好きです)と称する年配女性のジャーナリストなど、ショウビジネスのカラクリみたいなものを感じながら見ていました。

言いたいことは山ほどある映画ですが、会話のやり取りでいいシーンがたくさんありました。カラスが稽古中に、プロデューサーのラリーに何かと気に入らないことがあったようで文句を言うシーンがあります。「そう、神経質になるなよ」と言うラリーに対してカラスは、「神経質なんじゃない、私は怖いのよ!」と真っ直ぐな言い方をします。「怖い」となかなか正直に言える人、また言える状況ってそうそう無いかもしれません、カラスって勇気のある人なんですね。やっぱり、天才です。

また、年配のジャーナリストのサラがカラスの欲の無さにうんざりして、カラスに言う「私がカラスになれるのなら、地獄にだって落ちるわ」というセリフがあります。これは、先ほどの自らをバンパイアと揶揄するジャーナリストとしての性(サガ)とカラスの才能への畏敬と嫉妬が見事に調和した表現でこれもまたお気に入りのセリフのひとつです。

とにかく、ますますオペラにハマりそうです。「カルメン」か「椿姫」の公演予定が無いか早速チェックしなくては!

2009年8月 8日 (土)

「8Mile」
天才エミネムが完全に覚醒する瞬間は必見!

8mileまたもTSUTAYA夏の100選から。8末までのキャンペーンなのでその間は映画強化期間ということで読書よりも映画(DVD)鑑賞を意識したいと思います。

「8Mile」、BASiCS分析でいきますが、先に総評、分析は後からの構成にて。

白人といっても、中流の黒人よりもずっと下の階層にいる境遇の厳しさから爆発するエミネムの叫び。白人ラッパーは黒人から完全にバカにされ、疎外される中でのエミネムの戦い。

なんといってもラストシーンのラップバトルが素晴らしい。ラップの天才エミネムの才能が完全に覚醒した瞬間は見逃せません。

また、母親役がなんとキム・ベイシンガー!意外なキャスティングに小さな喜びがありました。

以下、BASiCS分析。

■BattleField(戦場、競合):

アイドル映画(アーティスト本人で出演している、という意味で)、ミュージカル(メッセージや心の叫びが常にラップで表現される、という意味で)、青春映画

※なかなか、難しいですね。BattleFieldのジャンルがなかなかしっくりきません。それだけ独自性が強いのでしょうか。。

■Asset(資産):

エミネム本人が主役を演じている

■Strength(強み):

本人出演により全体を通してリアリティがある

■Customer(顧客):

エミネム好き・・>説明不要

ラップ好き・・>説明不要

苦労人のサクセスストーリー好き・・> 社会の底辺にいる人間の心の叫びと強さをエミネムが絶妙にラップにのせている

■SellingMessage(セリングメッセージ):

白人ラッパーエミネム、底辺生活からの成り上がり映画。彼の才能が完全に覚醒する瞬間は必見の迫力です。