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2011年1月31日 (月)

「M&A新世紀」読了しました
リーマンを買った野村の戦略について

Ma

一昨日のHRM(人材マネジメント)のクラスで、クラスメートからブログを見てると言われました。少し恥ずかしいですが、勿論嬉しい方の気持ちが大きくて、、ということで本日久しぶりにブログを書きます。

1月8日に「読み始めます!」と宣言した、「M&A新世紀」。非常に読みやすく、事例も豊富で既に読み終えてました。

いろいろ、学び吸収したことがあったのですが、野村證券が、破綻したリーマンブラザーズのアジア・パシフィック部門、欧州・中東部門の両方を、買収した理由や経緯が興味深かったのでそこをピックアップしたいと思います。(ちなみに、北米の投資銀行業務は英国のバークレイズが買収)

「私たちは、リーマンの資産や負債は継承せず、投資銀行業務とエクィティビジネスを中心に人材のみを引き継いだ」という、野村ホールディングスの氏家会長の言葉が、この買収の性格を端的に表しています。

勿論、資産・負債を引き継ぐ方法もあったようですが、ただ、その場合「ウラに隠れた負債が無いか」「その資産の価値は適正なのか」といったデューデリジェンス(買収の際の、審査と監査)が必要になり、そこに時間を取られている間に本当に欲しかった人材が競合に引き抜かれたり、去って行ったりすることを避けたかったようです。

それと、野村が人材以外で欲しかったのは、リーマンがインドに有していたITインフラでした。欧州、アジアの真ん中に位置し、世界中の企業分析モデルやシステム開発と管理を行い、世界の大手ヘッジファンドや年金基金からの注文に高速で対応してきたシステムです。

ちなみに、買収金額は、アジア・パシフィックは2億2,500万ドル、欧州・中東は2ドルでした。いずれの場合も資産(株、債権、不動産)、顧客口座は含みません、両者ともに人材は引き継いでおり、差分は先の事業インフラ(システム、PC)のみ。アジア・パシフィックの2億2,500万ドルはほとんどが事業インフラ代といえそうです。

自分たちが持たないものを補うという、欲しいもの(必要なもの)がはっきりした野村の買収のやり方から、野村の戦略や意図が汲み取れて非常に参考になる買収のケースでした。

※でも、本書は本当に事例が豊富で、その他に最近の日本の百貨店間の合併、米国の熾烈なビール会社の買収、JTの戦略的M&Aなど、簡単に読めて読み応えが十分にありました。何度も言ってますが、M&Aの入門書としては好適です。

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