« 「意思決定の思考技術 」
意思決定の「テクニック」はこれだ!
| トップページ | 「M&A新世紀」読書中
投資銀行が無くなったという誤解について »

2011年1月16日 (日)

「M&A新世紀」読書中
結果、株主は大損?
あの記憶に新しいブルドックソース買収劇

Ma

昨日の授業で、急成長中のベンチャーが買収され、そのベンチャーのCEOはベンチャーキャピタルからの期待に応え成功した、と評価されたケースがありました。「買収=成功」の考え方です。日本だと、「買収されてしまった」のように、まるで勝負に負けてしまったかのように受けとめられますが、その考えはもはや旧く、考えをあらためる時期にきているようです。

ブルドックソースがスティール・パートナーズのTOBを受けて、それまでのブルドックの株主たちが買収に反対したあのTOB劇。比較的記憶に新しいイメージがありますが、2007年のことなのでもう4年も前のことになります。

この買収に反対した株主たちが、結果的には(理論上)大損した理由が、本書で丁寧にわかりやすく書かれていました。

いくつかポイントがありました。

●「なぜ同社がスティールパートナーズの標的になったのか」

「確立されたビジネスモデル」、「ブランド力のある商品」などのマーケティング視点の理由もありますが、さらに、同社の「PLとBS」から、業態の割には現預金が多過ぎることなど、疑わしい財務戦略にもいくつか理由がありました。

●「買収に反対した株主が、結局損をしてしまったこと、とその理由」

当時は、買収反対のTOB対抗策により、株価がそれまでの300円~600円から一時的に3倍以上の2,000円近くとなりました。しかし、その「騒ぎ」のあとは200円台となりました。要は、買収騒ぎ時期よりも低い株価を招き、株主価値を低下させてしまったのです。

非常にざっくりですが、計算すると、1株あたり2,000円が200円になったと考えれば1,800円の毀損です。持ってる株数次第ですが、あまりに大きいです。

とかく日本は、「買収」というと、暗い影がつきまといますが、浪花節的な感情論に支配されていると思います。実際、TOBに応じて株を売れば、ブルドックソースの株主たちは高値で売り抜けて、「利益」を得ることもできたはずです。

「買収される」ことはイグジット(成功した出口)である、という考え方を日本の株主・投資家は、考え方のひとつとして持つべき時代になったのだと思います。

« 「意思決定の思考技術 」
意思決定の「テクニック」はこれだ!
| トップページ | 「M&A新世紀」読書中
投資銀行が無くなったという誤解について »

MBA学生日記」カテゴリの記事

骨太読書メモ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/431686/38485258

この記事へのトラックバック一覧です: 「M&A新世紀」読書中
結果、株主は大損?
あの記憶に新しいブルドックソース買収劇
:

« 「意思決定の思考技術 」
意思決定の「テクニック」はこれだ!
| トップページ | 「M&A新世紀」読書中
投資銀行が無くなったという誤解について »